2021年1月4日の「グレーテルのかまど」は、「沖縄のムーチー」。
「餅」の沖縄方言が「ムーチー」といわれます。
「ムーチー」は、モチモチとした食感と、甘味が美味しい、香り豊かな葉に包まれたやわらかなお餅です。
「ムーチー」(鬼餅)は、沖縄本島及びその周辺離島で、旧暦の12月8日に、厄払い・厄除け・健康・長寿を祈って、食べられています。
どんなお菓子で、どんな風に作るのでしょうか?
グレーテルのかまど ムーチー(鬼餅)とは?食べ方、保存は?
「ムーチー」(鬼餅)は、餅粉に、砂糖、水を混ぜてこねた種を、月桃(サンニン)の葉に包んで、蒸したお菓子です。
月桃はショウガ科の植物で、抗菌作用があり、防虫・防腐にも役に立つといわれています。
もち米をついて作った餅と違って、餅粉を水でのばしているために、冷えて直ぐに固くなることはありません。
味は、米の味わいがひろがる餅よりも、淡泊(たんぱく)です。
沖縄の人たちが、「ムーチー」を食べるのは、“ムーチーの日”といわれる、旧暦の12月8日。
毎年、お正月を過ぎた1月半ば~2月ごろに、「ムーチー」を食べるのです。
子どもが生まれて最初の“ムーチーの日”には、「初ムーチー」。
食べると、人一倍力がつくと言われている、大きめの「力(ちから)ムーチー」。
沖縄の人たちの「ムーチー」に込めた想いを感じますね。
食べ方は、シンプル。
月桃(サンニン)の葉をはずして、食べます。
そのまま手で食べても、箸や、フォークで巻き取って食べるのもありです。
しかし、餅に似たように粘りのあるお菓子ですから、ご想像のとおり、月桃の葉に「ムーチー」がくっついて、食べづらいこともあるのだとか。
「ムーチー」をはがれやすくするには、どうやら、作る前の仕込みに、ポイントがあるようなのです。
葉に油をぬったり、餅粉だけでなく、マッシュポテトを生地に入れたり、硬めに生地を仕上げたり、葉の裏側を使って包んだり、などなど。
さまざまな方法があるところを見ると、みなさん、いかに上手く食べるのかに苦労されているということでしょうか?
食べきれなければ、葉を外して、冷凍保存もありなのだとか。
できたてを味わいたいのなら、レンジで温めるとよいとのことです。
日を置いても、できたてを味わえるのは、嬉しいですね!
🎍あけましておめでとうございます🎍
今日は旧暦の12月8日、沖縄では #ムーチーの日
オーソドックスな白ムーチー、紅芋ムーチー、黒糖ムーチーの他、ジミーらしいチョコチップの入ったチョコチップムーチーはいかがですか?
お正月のお餅もいいけど、ムーチーもね😘#jimmys #数量限定 pic.twitter.com/eKk57UT8Uk
— ハッピー☆ジミー (@Jimmys_okinawa) January 2, 2020
グレーテルのかまど ムーチー(鬼餅)の日伝説(由来)
「ムーチー」は、漢字で書くと、「鬼餅」です。
沖縄の言葉では、鬼を“ウニ”といい、餅を“ムーチー”と言うので、「ウニムーチー」とも呼ばれていたのだそうです。
ではなぜ、「鬼餅」と言われているのでしょうか?
「鬼餅」の由来は、沖縄本島の民話に残されています。
昔、両親を亡くした兄妹が二人で暮らしていましたが、妹が嫁に行き、寂しくなった兄は、夜な夜な鬼になって、人畜を襲うようになってしまったのだとか。
それを伝え聞いた妹が、鬼となった兄を退治すべく、兄の大好きな餅に、鉄の塊(石や瓦の説もあり)を入れたものを作って食べさせます。
身体が重くて動けなくなった鬼になった兄を、妹は、崖から海に突き落として、鬼退治をしたと言い伝えられているのです。
兄妹が、働き者の妹と、兄は乱暴で怠け者だったという設定のもありますが、とにもかくにも、兄と妹がいて、兄が鬼に変貌し、妹にお餅で退治されてしまうという、ちょっと衝撃的な話なのです。
鬼退治に、お餅が使われたことから、「ムーチー」は、「鬼餅」と呼ばれています。
そして、「ムーチー」の日である旧暦12月8日が、鬼退治をした日なのです。
以来、その日に、餅を食べて厄払い・厄よけをするのが、習わしになったといいます。
また、この日は、沖縄では、一番寒い時期になります。
寒い冬を越す体力をつけるために、お餅を食べる習慣と、鬼退治にお餅が使われたことと、何か関係がありそうにも思えますね。
グレーテルのかまど 沖縄のムーチー(鬼餅)の作り方
「ムーチー」は、手軽に作れるお餅。
家でも、気軽に造れて、色々にアレンジして、楽しめるのが嬉しいです。
味わいのきめては、『香り豊かでむっちむち!』
作り方
準備
・かぼちゃは種と皮を取り除き、蒸して裏ごししておきます。
・蒸し器のお湯を沸かしておきます。
・黒糖を、ざるで漉(こ)しておきます。
生地を作る
「ムーチー」のモチモチとした食感は、餅粉(もちこ)を用いているからです。
餅粉は 餅米を乾燥させた粉です。
これを使うと、餅米からお餅作る時に必要な、米を炊いて、ついてという手間をかけずに、お餅が簡単にできるのです!
だから、家でも手軽に餅菓子ができる、ステキなアイテムなのです~☆
では、沖縄でもポピュラーな黒糖の生地を作ってみましょう!
1.まず、ボウルに餅粉と黒糖を入れ、混ぜ合わせます。
2.生地が耳たぶくらいのやわらかさになるように、水を調節しながら入れて、手でこねます。
これで、生地作り終了!
なんて簡単!
紅芋生地や、かぼちゃ生地も同様に作ります。
蒸す
オキテ:真ん中使いにひと工夫!
1.月桃の葉の裏側の葉脈を、包丁でそぎ取り、そぎ取った部分でお餅を結ぶ紐(ひも)にします。葉脈は、ゆっくりと葉を傷めないようにそぎ取ります。
2.そぎ取った葉脈の上に、ペーパーをかぶせて、麺棒を転がして繊維をつぶします。やわらかくなったらOK。
3.各生地を4等分(約50g)して、だ円形に丸めます。
力(ちから)ムーチーを作る時には、生地量を1.5倍ほどにしたものも作るとよいです。
4.月桃の葉を縦にして、裏側の中心に生地を置きます。まず、葉の左右を生地側に織り込んで、次に葉の下から折り上げ、最後に上から折り曲げて葉を巻きつけ、葉脈で作った紐で結びます。
力(ちから)ムーチーの場合は、生地量が多いので、月桃の葉は2枚使って巻きます。
5.蒸し器で20~25分蒸します。
6.常温で冷まします。
冷めたら、美味しくいただけます。
沖縄では、子どもが生まれて最初の“ムーチーの日”には、山ほど「ムーチー」を作って、親せきやご近所に配るのだそうです。
また、親が子どもの健康と厄払いを願って、手作りした「ムーチー」を、子どもの年の数ほど軒先につるすのだとか。
子どもの健やかな成長を願って作られるお餅なんですね。
材料
各種類 約4個分
<黒糖ムーチー>
餅粉 100g
黒糖 25g
水 70~80ml<紅芋ムーチー>
餅粉 100g
紅芋パウダー 18g
グラニュー糖 30g
水 70~90ml<かぼちゃムーチー>
餅粉 100g
かぼちゃ 45g (蒸して裏ごししたもの)
グラニュー糖 30g
水 40~60ml月桃の葉 12枚
出典)グレーテルのかまど ~沖縄のムーチー~よりムーチー
レシピ監修 エコール 辻 東京 中濱 尚美 先生
グレーテルのかまど 「ムーチー(Muah chee)」のシンガポールでの作り方
知っていました?
シンガポールにも、「ムーチー(Muah chee)」と言われる餅菓子があるんです。
以前は、屋台などでよく見られたそうなのですが、ピーナッツ粉と白胡麻を合わせた衣をまぶしたお餅です。
これも、餅粉を使って作られているのです。
同じ名前なんて驚きですが、意味は違いました。
「Muah」は「Full」、「Chee」は「Money」で、その意味から付いた名前とされていて、昔はお祭りの時に神様にお供えしたお菓子でした。
出典)またひとつ消えゆく? シンガポールの銘菓「Muah chee(ムーチー)」
By ELLE gourmet 2014/10/06
また、作り方にも違いがあるんです。
沖縄の「ムーチー」は、月桃の葉で包んで蒸しますが、シンガポールでは、フライバンで焼いて、ひとかたまりにできた餅を細かく切り分けて、ピーナッツ粉と白胡麻をまぶします。
火の入れ方が違うんですね。
でもモチモチ感は、一緒。
シンプルな作り方なので、これも手作り可能かも!
材料
・もち粉 1カップ
・水 3/4カップ
・植物油 大さじ1.5~2
・ピーナッツパウダー 1.5カップ
・砂糖 大さじ1~2(お好みで増やしても)
・白ごま(ローストする) 大さじ3出典)またひとつ消えゆく? シンガポールの銘菓「Muah chee(ムーチー)」
By ELLE gourmet 2014/10/06
作り方
1.もち粉と水をよく混ぜて、中火で熱して油をひいた深めのフライパン(ホットプレートがベスト)に流し入れて菜箸で混ぜます。
2.鍋肌から固まって来るので、これを菜箸でうまく混ぜ合わせながらダマを作らないように練っていきます。(急に固まって来ますが、慌てず練り上げて下さい。)
3.ひと塊りになったら、弱火にしてさらによく練って行きます。お餅がなめらかになり、少し透明感が出て来たら(3~5分くらい)火から下ろします。
4.熱いまま少しちぎって(やけどに注意!)、ピーナッツ粉と擦り白ごまのバットの中に入れて、これを更に細かくステンレスのスケッパーで衣をまぶしながら刻んだら出来上がり!(ステンレススケッパーが見つからずお好み焼きヘラですみません……)
出典)またひとつ消えゆく? シンガポールの銘菓「Muah chee(ムーチー)」
By ELLE gourmet 2014/10/06
まとめ
新年にお餅を食べる、一番寒い時期に「ムーチー」を食べる。
双方、厄払いをして、事を新しくする時、力を出したい時に、食べることが、共通しているように思えます。
モチモチしたものには、厄除けや縁起を呼び込む力があると、昔の人は自然に感じていたということなのでしょうか?
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