東北応援スイーツ!「絆ロールケーキ」、「お山のマドレーヌ」(宮城県南三陸町)、「陸前高田のちっちゃな花畑クッキー」 /グレーテルのかまど 

2021年1月18日の「グレーテルのかまど」は、「東北応援!スイーツ」。
2011年の東日本大震災による津波で、大きな被害を受けた、宮城県南三陸町と、岩手県陸前高田市森の前地区で、復興への願いを込めて生まれたスイーツが紹介されました。




「絆ロールケーキ」(宮城県南三陸町 ニュー泊崎の東北応援スイーツ)/グレーテルのかまど

旅館「ニュー泊崎荘」の「絆ロールケーキ」

宮城県南三陸町は、震災で犠牲になった人々が800人を超える最も被害が大きかった地域の一つです。

泊崎半島の先端にある旅館「ニュー泊崎荘」は、避難所として160人もの人々を受け入れていました。

この旅館をきりもりしていたのが、宮倫子(くりこ)さん。
彼女は、旅館を経営するだけでなく、パティシエとして、スイーツを作って宿泊者にお出ししていました。

震災当初、水道、電気、ガスなどのライフラインに加え、道路も寸断され、救援物資はなかなか届きませんでした。

そんな中、宮倫子さんは、旅館の冷凍庫に保管していたロールケーキを、被災した方々に食べてもらうことにしました。

ロールケーキの数は、全部で1000本!

厳しい環境の中で口にしたロールケーキに、被災した方々は大喜びしたといいます。

宮倫子さんは、言っていました。
「食欲がない子どもたちも食べられて、助かった、と言われました。自然と(人々が)笑顔になったり、会話がはずんだり。やっぱり(スイーツで)雰囲気が明るくなるな、と感じました」

ライフラインが回復すると、宮倫子さんは、ロールケーキ作りを再開しました。

そして、福興市(ふっこういち)に参加し、ロールケーキを出すと、それを口にした人たちが笑顔に!
人を笑顔にする力と優しさが、スイーツにあることを確信します。

宮倫子さんは、「このロールケーキに、地元の特産品を使って復興の手助けができないだろうか」と考えます。

試行錯誤の末、ワカメを細かく刻んでクリームに入れた、特製のロールケーキが生れました!

地元の特産の生ワカメを細かくカットして、磯の香を感じられるように、クリームに混ぜています。

ワカメの入ったロールケーキ!
東北との絆への祈りを込めたロールケーキです。

このロールケーキの評判について、宮倫子さんは、こんな風に言っています。
「地元の人は、誰?こんなワカメなんか入れて、という感じなのですが、遠くからいらした方は、すごくおいしいと感動してくれて、やみつきになるという人も。かなり両極端な評価なんです」と。

食べた後、磯の香りが押し寄せてくる、そんな味わいなのだそうです。

インパクトがあって、そして、食べる人がその味からも東北を想い、繋がる、ステキなスイーツだな、と思います。

 

「絆ロールケーキ」を食べるには?

ニュー泊崎荘のWEBサイトから、通販サイトに飛ぶことができます。

種類

プレーンロール
メイプルロール
生わかめロール
モカロール
いちごロール

サイズと値段

カットサイズ     300円
ハーフサイズ     900円
ロングサイズ   1500円~1800円

 

ニュー泊崎荘
〒988-0442 宮城県本吉郡南三陸町歌津字番所34番地
【お電話でのお問合せ】10:00~18:00 Tel:0226-36-3315   Fax:0226-36-2345   info@tomarizakisou.co.jp

また、コロナ渦において、宮城の食材やみやげ品をセット販売して自宅で楽しんでもらう企画”みやぎご馳走セット”でも販売中です。

みやぎご馳走セット販売開始
2020.12.27
日頃より、ニュー泊崎荘をご利用いただき誠にありがとうございます。本日は、みやぎご馳走セットの通信販売のご案内です。

新型コロナウイルスの感染拡大で「GoToトラベル」の事業が一時停止となり、宮城県内の宿泊施設では年末年始の予約に多くのキャンセルが出ております。こういった状況におきましても、宮城の食材やみやげ品をセット販売して自宅で楽しんでもらおうと、県内の旅館やホテルの「女将」で組織する「みやぎおかみ会」が宮城から元気を発信する企画を立ち上げたもので、県内14の宿泊施設が参加しております。当館におきましてもパティシエ特製の手作りロールケーキの販売にて参加させていただいております。
出典)ニュー泊崎荘 WEBサイトより

「オーイング菓子工房 Ryo」の「お山のマドレーヌ」

サンドウィッチマン伊達さんがブログで絶賛していたことで知られています。

作っているのは、パティシエの長嶋涼太。

「お菓子のことを考えているとどんどんアイディアが浮かんでくる。 どんなお菓子をつくるか考えるのが好き」と言うくらいのお菓子好きです。

震災が発生した時、避難所での生活を余儀なくされていた中、多くの人から、オーイングのお菓子が食べたいという声に応えて、支援物資のホットケーキミックスに、片道2時間以上かけて手にいれてきてくれた生クリームを使って、ケーキを作り、避難所の人に振舞ったと言います。

この時から、またお菓子を作って、みなさんに提供したいとの想いを持ち、最初は、復興市や町内祭りなどで出店するところからスタートして、現在は、”さんさん商店街”に移転してお菓子を販売しています。

「お山のマドレーヌ」を食べるには?

「お山のマドレーヌ」は、現地でしか味わえない、焼き立てが一番!なのですが、お取り寄せも可能です。

『さんさん商店街』の商品が購入できるショッピングサイト、「南三陸 de お買い物」で購入可能です。

 



「陸前高田のちっちゃな花畑クッキー」(北陸学院大学の学生と作った東北応援スイーツ)/グレーテルのかまど

岩手県陸前高田市森の前地区は、津波でほとんどの家が流されてしまった地区です。
住民たちは、呆然とたちつくすばかりでした。

ある日住民の一人が、
「いつまでもメソメソしていても しかたがない。亡くなった人を色とりどりの花で迎えよう。」
と声をあげます。

震災の1年後、住民たちは、津波で被害を受けて更地となった住宅跡地に、鎮魂と復興の、それぞれの祈りを込めて、花を植え始めました。

この活動に賛同したのが、金沢の北陸学院大学の学生たちです。

2~3か月に1度、バスで10時間以上かけて訪れ、住民と一緒に花を植え続けました。

学生を率いてボランティア活動をしていた、災害社会学が専門の北陸学院大学教授の田中純一さんは、その時の様子をこう語っています。
「住民の方々が、バスから降りる学生たちを見て、『おかえり』と自然に言ってくれたんです。私の大事な娘や息子が、金沢の大学に通っていて、その子たちが久しぶりに、ふるさとに帰ってきてくれる、そんな感じで。非常に私たちは嬉しかったです」

住民と学生たちの家族のような繋がりを感じます!

しかし、2014年秋、市の復興計画による盛り土などにより、立ち入りが禁止になり、花畑を作ることができなくなりました。

花畑を復興の心の支えとしていた住民は、拠り所を失い、落ち込んだと言います。

住民と一緒に活動をしていた、北陸学院大の学生たちと田中教授は、
「もう一度、花畑を何か別の形にできないかだろうか、そして、ずっと忘れない場所にできないだろうか」
そんな思いから立ち上がりました。

そして、クッキーなどのお菓子にして、花畑をよみがえらせることはできかと考えます。

住民から丁寧なヒヤリングを重ねて、生み出されたのが、「陸前高田のちっちゃな花畑クッキー」です。

 

「陸前高田のちっちゃな花畑クッキー」は、陸前高田の米粉と、加賀の五郎島金時をブレンドした、
色とりどりの6枚の花びらの形のクッキーです。

クッキー1枚は、涙のしずくの形をしています。
しかし、6枚を並べると、一輪の花になるのです。

完成後、2017年5月に、東京のデパートで販売されたところ、大評判になったのだとか。
その売り上げは、陸前高田市にも寄付されました。

金沢市内の洋菓子店では、今でも売られていて、好評とのことです。

当時の学生は既に卒業していませんが、
「先輩が作りあげたものを大事にしていきたい」
「たくさんの人の想いがつまったクッキーを、未来につなげていけたら」
こんな想いを持つ在校生たちに、引き継がれています。

みんなが一緒になって復興を実現し、その上にステキな花を咲かせようという、本当に温かく希望に満ちたスイーツだな、と感動しました。



「ちっちゃな花畑クッキー」を作ってみよう!

東北の米粉と、さまざまな食材や、パウダーを合わせて、ほんのりとスイートなクッキーを作ります。
味わいのキメテ:心にしみる優しい色と味!

6枚の花びらは、6種類のクッキーで作ります。
黄色の花びらはかぼちゃで、ピンクの花びらは むらさきいもで作ります。

事前準備

■米粉、各種パウダーはふるいにかけておきます
■オーブンは、170℃に余熱しておきます
■鳴門金時芋は、ふかして、裏ごしをします
■バターは、常温でやわらかくしておきます

作り方

プレーン生地を作ります

1.室温に戻して柔らかくしたバターに、グラニュー糖と、隠し味のはちみつを入れて、 泡立て器で混ぜます。
オキテ1 ハニーフラッシュ♡
はちみつを入れることで、優しい甘さになります。

2.ふかして裏ごしした鳴門金時いもに、米粉を加えます。
オキテ2 米粉でさっくり!
米粉を加えることで、サクサクの軽い食感になります。

3.まざりきる前に、さつまいもパウダーを加えます。

4.カードで、ボウルのヘリに、すり付けるようにすり混ぜます。

5.充分に混ざったら、生地を4等分にします。生地はこの時点で、すでにサクッとしています。

6.4糖分した生地の1つは、プレーン生地として焼きます。
残りの3つの生地は、抹茶、ゆず、ほうじ茶パウダーを加えます。

7.生地を乾燥しないようにラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませます、

抹茶生地、ゆず生地、ほうじ茶生地 を作ります

1.3つのプレーン生地に、それぞれ抹茶パウダー、ゆずパウダー、ほうじ茶パウダーを合わせます。ダマになりやすいので、手でこねたほうが良いです。

2.生地を乾燥しないようにラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませます。

かぼちゃの生地を作ります

1.室温にもどして、やわらかくしたバターに、グラニュー糖とはちみつ、塩を加え、泡だて器で混ぜます。

2.1.に、ふかして裏ごしをした鳴門金時芋を加えて混ぜます。

3.別のボウルに、米粉とさつまいもパウダー、かぼちゃパウダー、シナモンパウダーを入れて、混ぜ合わせたら、2.に加えて、カードですり混ぜます。

4.生地を乾燥しないようにラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませます。

むらさきいもの生地を作ります

1.室温にもどして、やわらかくしたバターに、グラニュー糖とはちみつ、塩を加え、泡だて器で混ぜます。

2.別のボウルに鳴門金時芋、はちみつ、むらさきいもパウダーを入れて、ゴムべらでしっかりと混ぜ合わせます。

3.2.を1.に加えて、泡だて器で混ぜます。

4.別のボウルに米粉とさつまいもパウダーを入れて、泡だて器で混ぜてから、3.に加えて、カードで混ぜ合わせます。

5.生地を乾燥しないようにラップで包み、冷蔵庫で30分以上休ませます。

成形して焼きます

1.冷蔵庫から生地をだし、麺棒でたたいて、固さを調整します。結構固いので、ある程度叩いたら、手でこねるのが良いです。

2.台に打ち粉をして、麺棒で生地を厚さ3mmに伸ばします。

3.なみだ型の型抜きで、生地をぬいていきます。

4.オーブンペーパーを敷いた天板に生地を並べます。ゆずクッキーは、ゆずピールをのせて並べます。

4.170℃で、10分ほど焼きます。焼き上がったら余熱で2分おいておきます。

材 料 

4㎝なみだ型 各20個分
<4種類(プレーン生地)>
無塩バター                 80g
グラニュー糖              34g
はちみつ                    10g
鳴門金時芋                 75g
米粉                        108g
さつまいもパウダー     14g

<抹茶クッキー>
プレーン生地              80g
抹茶                            1g

<ゆずクッキー>
プレーン生地              80g
ゆずパウダー               2g
ゆずピール                 適量

<ほうじ茶クッキー>
プレーン生地              80g
ほうじ茶パウダー          2g
・棒茶
・パウダーが無ければ、茶葉をミルミキサーに かけて、粉末状にする

<かぼちゃクッキー>
無塩バター                20g
グラニュー糖             9g
塩                   ひとつまみ
はちみつ          3g
鳴門金時芋       18g
米粉                27g
さつまいもパウダー  3.5g
かぼちゃパウダー      2g
シナモンパウダー   0.2g

<むらさきいもクッキー>
無塩バター       20g
グラニュー糖               9g
塩          ひとつまみ
はちみつ         3g
鳴門金時芋        18g
米粉               27g
さつまいもパウダー      3.5g
むらさきいもパウダー     2g

出典)NHK グレーテルのかまど ~東北応援!スイーツ~より ちっちゃな花畑クッキー
   原案 北陸学院大学 スイーツ研究所
レシピ監修 エコール 辻 東京 中濱 尚美 先生

まとめ

スイーツが、人々を笑顔にし、震災復興の歩みを進める力を秘めていることに驚き、感動します。
これからも、東北を応援し続けていきたいと思います。


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