グレーテルのかまどのベリーケーキ スウェーデンのいちごは世界一!

2020年7月13日のグレーテルのかまどのテーマは、「スウェーデンの短い夏のベリーケーキ」。
長い冬が終わったスウェーデンに、短いけど、待ちに待った夏が到来します。

夏を象徴する森の恵みのベリーをたっぷり使って、さっぱりクリームでひきたたせたベリーケーキが紹介されました。

ケーキのデコレーションに、ヘンゼルの感性が光りました!

そして、スウェーデンの人たちの夏を迎えた喜びや自然への想いに、ヘンゼルもかまども感嘆の声。

このベリーケーキは、さまざまなスウェーデンを感じる、すてきなお菓子でした!

グレーテルのかまど スウェーデンのミッドソンマル(夏至祭)の特別なスイーツとは?

寒く暗い季節が終わり、やってくる短い夏。スウェーデンの人たちは、外で過ごす時間を思いっきり満喫します。

そして、一年で一番日照時間が長くなる日、夏至を「ミッドソンマル(Midsommar)」(夏至祭)でお祝いするそうです。

「ミッドソンマル(Midsommar)」は、スウェーデンに住む人たちにとって、クリスマスと並ぶ本当に大切な日です。

スウェーデン各地で行われますが、特に、首都ストックホルムの北西のダーラナ地方は、有名です。
スウェーデンの人たちは、「ミッドソンマル(Midsommar)」に間に合うように帰省して、家族や友人とともにゆっくりと過ごすそうです。

大切な人たちと囲む「ミッドソンマル(Midsommar)」の食卓。
欠かせない特別のスイーツを、スウェーデン大使館のシェフのヨハン・アールステットさんに聞いてみると、ズバリ「いちご!」。
何でも年配の方は、ホイップクリームと一緒に食べるのが好きなのだとか。

思い出しますね。
日本でも、少しすっぱい“いちご”に砂糖をかけて、牛乳に浸し、今ではほとんど見ない、“いちごスプーン”で圧し潰しながら食べていた時のことを!
そして、祖父母はそれが好きでした。私もですけど。
なんだか一緒。

あの時の“いちご”は今の美味しすぎる“いちご”に比べれば、味も形もいま一歩でしたけど、食すると、「あぁ春がきた!」と季節を実感したものです。

駐日スウェーデン大使 ペールエリック・ヘーグベリさんは、言っています。
「日本の“いちご”もおいしいけど、スウェーデンの“いちご”が世界一だよ」
濃厚な味わいだけではなく、太陽と森の自然の恵みいっぱいの希望の“いちご”に優るものは他には存在しないのでしょうね。

そうそう、“いちご”は日本では春のイメージですけど、スウェーデンでは夏のイメージなんですね。冬が長いため、春というより、夏がいっぺんに来るんでしょうね。

そういえば、どこかで聞いたことがあります。
日本に旅行にいらしたスウェーデンの人は、冬にイチゴが売られているのに驚くとか。寒すぎるスウェーデンでは、冬にイチゴなんて信じられませんよね。

「ミッドソンマル(Midsommar)」は、毎年6月20日から6月25日の間で、夏至に最も近い土曜日とその前日と合わせて2日間が祝日なります。

町の広場に「マイストング(Midsommarstång)といわれる白樺の緑の葉や野の花で飾り付けた飾り柱を立て、その周りを大人から子どもまで、皆一緒に同じ歌を歌いながら踊ります。

老いも若きも皆一緒に、同じ文化を嗜み、楽しめるなんて、すてきだな!と私は思います。
スウェーデンの人々は共通の話題を、世代を超えて持っているということですものね。

この「マイストング(Midsommarstång)」、こんな言い方がふさわしいのか分かりませんが、「あいあい傘」みたいな形をしているのです。

そして、こんな言い伝えが。
「ミッドソンマル(Midsommar)」の夜に、7種類の花をあつめて枕の下に入れて寝ると、夢に将来の結婚相手がでてくるとか。
これは、乙女たちにはめちゃくちゃトキメクこと。きっと7種類の野花を集めてステキな夢を見ていることでしょう。

スウェーデンでは、1000年以上も前から、こうして夏の訪れを祝い、豊かな収穫と子孫繁栄を願ってきたんだそうです。

番組では、東京のスウェーデン大使館を訪ねると、大使婦人アンナー・ヘーグベリさんがミッドソンマルの花冠を作っていました。たくさんの花で夏の到来を祝って花冠を作ります。
女性は花冠をしてお祝いをするのが決まりなんだそうです。

花冠をして、「ミッドソンマル(Midsommar)」のお祝いのテーブルにつきます。ビールで乾杯をした後に、“楽しく飲もう~”の軽快で愉快な歌を歌い合い、ビールを飲み、そして、食事を楽しみます。

デザートには”いちご”のタルト。

大使は、こう言っています。
「夏は一晩中太陽が昇っている。白夜で明るいんですよ。この季節は本当に幸せを感じます。ミッドソンマルは、おいしい食事、友人たち、そして太陽の光とともに過ごす時間なんです」と。


グレーテルのかまど スウェーデンの太陽と森の恵みいっぱいの”ベリーケーキ”

「グレーテルのかまど」の番組では、“酸味さっぱり!ベリーとクリーム”のベリーケーキが紹介されました。

土台のスポンジケーキは準備されていました。

通常、それを輪切りにして、スポンジ+クリーム+スポンジ+クリーム・・・と上乗せしてケーキを組み立てていきますが、今回は、間のスポンジを焼きメレンゲに代えていました。

スポンジケーキをしっとりさせるために塗るシロップにも、“いちご”をたっぷり。
赤いカラフルなシロップが、かわいいです。

土台をつなぐクリームは、ヨーグルトクリーム!

泡立てたホイップクリーム(脂肪分35%)に、ヨーグルトを併せて作ります。
ヨーグルトが、ホイップクリームの固さ調節にも使えるお助けアイテムなんですね。
夏にぴったりのさっぱりとした味わいのクリーム。この夏、私も作ってみようと思います~

土台のスポンジにたっぷりのベリーをのせて、ヨーグルトクリームを塗ったら、その上に焼いたメレンゲをのせます。

メレンゲ作りは、まず卵白の泡立てから。
少し泡立てたら、砂糖を6回ぐらいにわけて入れながら、どんどん泡立てていきます。
卵白が光ってビロードのようになったらOK。

その後、絞り袋に入れて、クッキングシートに口金1cm(10mm)で直径15cmの渦まき状に絞りだすのですが、これが難しそう!
均一に、切れないように絞り出すのには力も、神経も使いそうです。
さすがヘンゼル、上手です。

搾り終わったら、表面をならして、130度のオーブンで60分焼きます。
メレンゲ作りは気長さも大事ですね。

一番下のスポンジに“いちご”シロップを塗り、ヨーグルトクリームを塗ったらベリー類を並べます。
その上にヨーグルトクリームのせて、ここで、焼いたメレンゲが登場。

その上にヨーグルトクリームを広げて、スポンジで蓋をしたら、スポンジの表面に、“いちご”シロップを塗ります。

ケーキの仕上げに、生クリーム(脂肪分40%)を泡立てて表面に塗っていきます。

なでるように全体に生クリームを塗った後、小さなパレットナイフに持ち換えて、ヘラの先にクリームをのせ側面に軽くタッチしていきます。ヘラの跡をつけることで、素朴なホームメードケーキっぽく見せるのが目的です。

そして、トッピング。絞り袋で生クリームを搾って、ベリーを散らします。

う~ん、ステキ!野に咲く素朴な花々の中に映える優しいケーキができあがりました!!

ヨーグルトクリームと甘酸っぱいベリー、そして、サクサクのメレンゲの相性は抜群!(らしい)

グレーテルのかまど 番組特製レシピ

~スウェーデン 短い夏のベリーケーキ~より
ベリーケーキ
レシピ監修  エコール 辻 東京 中濱 尚美 先生

https://www.nhk.or.jp/kamado/recipe/317.pdf

ベリーをとことん味わうスウェーデンの人たちの、他の食べ方も、紹介されていました。

・ハッロングロットル(ラズベリーの洞窟)
真ん中にラズベリージャムを入れてカップで焼いたクッキー。

・ブルーベリースープ
夏は冷たくさっぱり、冬はあたためて。スウェーデンでは不動の人気とか。
あたためて食べるなんて想像できないけど、美味しいのでしょうね。

・リンゴンベリー(こけもも)
砂糖を加えて混ぜるだけでソースのできあがり。ミートボールにそえるのが定番だそうです。
私でもできそう。すごく手軽だわ。

 


グレーテルのかまど スウェーデンのトロール(妖精)が教えるアッレマンスレッテンの心(サステナビリティ)とは?

スウェーデンの自然の中で余暇を過ごす習慣が、中世から続くといわれています。そんなくらしの中から生まれたのは、アッレマンスレッテン(Allemansratten)という考え方です。

スウェーデンで育ち、その自然観を日本に伝えるペオ・エクベリさんは言ってました。
「アッレマンスレッテン(Allemansratten)は、スウェーデン語で[自然は誰も所有できないという考え方]です。これは、誰もが自然を楽しめる権利があるというものです」

森の中でバーベキューを楽しんだり、草花や木の実を集めたり、自然環境を壊さない限り自然からの恵みをいただくのは、みんなの権利というのです。

「スウェーデン人は、キノコやベリー(ブルーベリーやブラックベリー)を積むのが好きです。誰でも摘むことができると同時に、人間どうしだけでなく、自然や動物にも迷惑をかけないようにする責任があります。自然を汚すと、トロール(妖精)も悲しむよという教えです」

この考え方は、スウェーデンでは小さなころから自然の中で学んでいくのだそうです。

子どもたちが、森に出かけていくと、森の妖精(三角帽をかぶり、尾っぽがある)に扮した大人が遊びの中で自然の教えを伝えていました。

「白樺の皮は傘になるのよ」
「カエルの指は何本?」
妖精が運んでくれるのは、知識だけではありません。ベリーやきのこを届けてくれる妖精もいるとか。

そして、最後に妖精が取り出したのは、森に捨てられた缶やペットボトルなどのゴミ。

「森でこれらを踏むのは誰?」と森の妖精が尋ねると、
「私たち」と子どもたちは答えます。
「足はどうなっちゃう?」
「痛い!痛い!」
「そう!そのとおり」

スウェーデンの人たちは、自然は人間のものではない。しかし、共に生きれば、その恵みを楽しむことができる、というアッテマンスレッテンの心を、自然と共存する術を、大切に次の世代に伝えているんですね。

グレーテルのかまど 「スウェーデンの短い夏のベリーケーキ」を観て

北欧の国、スウェーデン。
北欧雑貨やオーロラなどセンスの良さや多くの自然に囲まれたこの国に、以前から興味と憧れがありました。

国土がせまく、季節のある日本と、スウェーデンの自然とでは、自然の在りようが異なるとは思うのですが、自然と共存していく想いを持っていることは、多少なりともシンパシーがあるのではないかと思うのです。

この番組で、“いちご”を通してみえたスウェーデンに住む人たちの考え方や想いに、私はさらに感動し、是非訪れてみたい、できたら住んでみたいとより近く感じました。

 


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