グレーテルのかまどでメロンパンの由来やレシピなど人気の秘密は?

2020年8月31日の「グレーテルのかまど」は、不動の人気の「メロンパン」!(初回放送:2019年9月9日)

人気のパン屋が続々と出てきて、色々な種類のパンが提供されても、「メロンパン」は、定番のパンとしての地位を確立しています。

「メロンパン」と一口に言っても、さまざまな種類があることはご存じですか?

形もラグビーボール型や円形といったものから、最近では、長方形や、楕円形(だえんけい)、や個性的な形のものまで、形だけでもさまざまです。

上にビスケット生地がのっているのが普通と思っていましたが、のってないものもあったり、パンの中に白餡やカスタードなどの餡が入っていたりと、地域性や歴史を反映している奥深いパンであることに驚きます。

歴史あるパンにロマンを感じつつ、美味しくいただく!これにつきますね!

「グレーテルのかまど」では、「メロンパン」がどのように生まれたのか、レシピや、新しい可能性について案内されていました。

”あこがれのメロンパン”がくれる可能性とは、どんなことなのでしょうか?

グレーテルのかまど メロンパンの由来とは?

「メロンパン」といえば、黄金色の表面にグラニュー糖がキラキラと輝き、編み目模様のある昔ながらの丸いパン、という印象があります。

大人も子どもも魅了する、安定の人気の「メロンパン」。

食べると、外のクッキー生地がサクサク、中はふわふわのパン生地、この組み合わせが癖になりますよね。

『網目にワクワク!』by グレ

番組では、黒板に書かれた、いつものグレーテルからのメッセージ(要望?)によって、ヘンゼルが「メロンパン」に挑戦しました。

「メロンパン」は、日本生まれの菓子パンなのです。
ご存じでしたか?

「メロンパン」の表面のサクサクした黄色い生地のことを、メロン生地といいます。
作る時には、パン生地をこのメロン生地で包んで焼くのです。

「メロンパン」を作る時に一番難しいのは、この2つの生地を組み合わせていく作業なのです。

でも!そこに醍醐味があるのかもしれません。

「メロンパン」の誕生は、日本にメロンが入ってきたことに端を発します。

メロンは明治10年代、新宿御苑の温室で試験的に栽培されていました。

研究を進めていたのは、福羽逸人(ふくば はやと)博士。
この人は、「ふじりんご」や苺のルーツといわれる「福羽イチゴ」、そしてマスカット・オブ・アレキサンドリアなどをさまざまなフルーツを生み出すことに貢献したのですが、メロンも例外ではありませんでした。

フランスやイギリスから、あらゆるメロンの種を取り寄せて試しますが、ことごとく失敗し、試行錯誤の末、3年後ようやく国産メロンが誕生します。

メロンは、当時、宮中の晩餐会などで、海外の賓客をもてなす時だけに振る舞われる、特別なフルーツでした。

次第に贈答品として、巷(ちまた)にも出回りますが、庶民にはなかなか口にできない高嶺の花でした。

せめて形だけでもあやかりたいと生まれたのがこの「メロンパン」なのです。

表面に刻まれた網目は、メロンの模様を模し、グラニュー糖がキラキラと輝く姿は、まさに、“憧れ”をイメージしているのかもしれません。

そして、この日本生まれの「メロンパン」が、今、外国のパン職人によって学ばれて、その技術を自国に持ち帰った彼らによって、海外でも食べられているらしいのです。

驚きですよね!!

港町神戸で70年続く老舗ベーカリー「ISUZU BAKERY」の社長、井筒英治さんによると、神戸のメロンパンは、今一般的に「メロンパン」といわれているものと少し様相が違うそうなのです。

まず、1つ目は形です。

「メロンパン」は、まんまるの形をしていると思っていましたが、神戸では、チキンライスの盛り付けなどに使うマクワウリ型を使って作るために、紡錘形(ぼうすいけい・ラグビーボール型)だというのです。

そして、面白いことに、このマクワウリのことを関西では、“マッカメロン”と呼ぶのだとか。

だから、「メロンパン」という名前になったともいえるかもしれませんね。

この紡錘形(ぼうすいけい・ラグビーボール型)をした「メロンパン」が見られるのは、神戸の外、広島や四国の一部の地域や、瀬戸内海あたりと言われています。

2つ目に、中身です。

何と、このお店では、パンの生地の中に、レモン味の白餡を入れているんです。
まるで“あんぱん”の餡のように。

しかし、“あんぱん”と一緒ではありません。

白餡を包んだパン生地にメロン生地をのせて、その上から“マッカメロン”の型をかぶせて、焼いているのです。

型をかぶせたままオーブンで20分焼くので、他のパンよりもじっくり焼きあがるのだとか。

形で焼くので形もバッチリ決まる上に、中にはとろーりとした白餡が入っているその美味しさは、当時、神戸で大ブレイクしました。

神戸の人は、流行を直ぐに取り入れるハイカラなところがあり、「メロンパン」も、そのひとつだったそうです。

当時、神戸中のパン屋が、競って作り出していたと言います。

「メロンパン」は、神戸の誇りだと、「ISUZU BAKERY」の社長、井筒英治さんは語っていました。


グレーテルのかまどでメロンパンのレシピ、人気の秘密を公開!

まず、メロン生地を作ります。

まずバターにグラニュー糖を混ぜます。(①)

掟1:メロンなのにレモン

「メロンパン」ですが、レモンの皮を入れます。
レモンの表面をおろし金で少し擦って、⓵に入れます。

⓵に、卵を数回に分け入れて、かきまぜます。

⓵に、小麦粉とベーキングパウダーを合わせて入れて、粉気がなくなるまで、カードで粉けがなくなるまで混ぜます。
その後、ビニール袋に入れて、冷蔵庫で一晩冷やします。

材料<メロン生地>
(40g×12コ分のパン生地を包むメロン生地)
バター  50g
砂糖     90g
卵        50g
小麦粉(薄力粉)          166g
ベーキングパウダー       4g
レモンの表皮(国産)    1g
<表面>
グラニュー糖(粗)       100g
(出典:~あこがれのメロンパン~より メロンパンレシピ監修 エコール 辻 東京 小野達也 先生)

次にパン生地をつくります。

掟2しっとり生地のワンツーツー

砂糖が、上白糖1種類、粉類は、強力粉と薄力粉の2種類、ミルクは、スキムミルクとコンデンスミルクの2種類を使います。
これが、しっとりしたパンを作る、ワンツーツーなのです。

まず、ボウルに小麦粉、上白糖、塩、スキムミルクを入れ、泡だて器でよく混ぜ合わせます。(⓶)

パンはグラニュー糖で作るのが定番のように言われますけど、上白糖の方が、水分が多いので、生地がしっとり仕上がるのだそうです。

日本で常用されてきた砂糖は、上白糖なため、日本生まれの「メロンパン」には、上白糖が最適なのだそうです。

別のボールに、水、生イースト、コンデンスミルク、卵を加え、混ぜ合わせます。(③)

⓶に③を入れて、粉けがなくなるまで手で混ぜます。

そして、作業台に生地を出し、台に生地を押し付けるようにこねていきます。

根気と力のいる作業です~ ヘンゼルも大変そうでした。

ある程度こねたら、生地を持ち上げて台に叩きつけるようにして、まとめていきます。

表面がなめらかになったら、生地の最終チェックをします。

パン生地を一部取り、指先で伸ばして、膜が出来るのが確認出来たら(グルテン膜)、OK。

生地にバターとショートニングを加えて、一緒にちぎるようにしながら、なじませていきます。

生地ができあがったら、丸くまとめてボウルに入れ、室温で1時間程度発酵させます。

材料 <パン生地>
(40g×12コ分)
小麦粉(強力粉)          200g
小麦粉(薄力粉)          50g
上白糖  62g
塩        3g
スキムミルク     4g
コンデンスミルク          12g
バター  12g
ショートニング  12g      なければバター(同量)でも可。バターの風味が強くなります。
卵        45g
生イースト        10g
水        105g
(出典:~あこがれのメロンパン~より メロンパンレシピ監修 エコール 辻 東京 小野達也 先生)

メロン生地でパン生地を包みます。

ここが難しいポイントになります。

掟3 右手はC(の字)

パン生地を上部を平らにして、その上に、平たくしたメロン生地を重ねます。

Cの字に右手を作るのは、メロン生地の中心を触らないようにするためです。

左手にパン生地をのせ、右手をCの字にしてパン生地をくるくる回しながら、メロン生地を少しずつ下に伸ばして、パン生地を覆っていくようにします。

そして表面にグラニュー糖をつけて、カードなどで網目の模様をつけます。

室温で1時間発酵させた後、160度から170度のオーブンで12分焼きます。

さっくりとふんわりの2つの食感を、手作り「メロンパン」で思う存分味わってみてください。

(参考:~あこがれのメロンパン~より メロンパンレシピ監修 エコール 辻 東京 小野達也 先生)


グレーテルのかまどでメロンパンアイスやメロンパン風トースト、カメロンパンなど新感覚メロンパンを紹介

メロンパンをあまりに愛好する人が多いことから、色々なアレンジ系メロンパンが登場しています。

オハヨー乳業株式会社の商品「メロンパンアイス」は、大手コンビニエンスストアのファミリーマート限定で2020年6月30日から販売されました。

「メロンパンアイス」は、幅広い世代に愛されるメロンパンをイメージして、カスタードアイスをバター香るクッキーシューに詰めたシューアイスです。

企業の商品開発の際にも、メロンパンは誰からも愛されるものとして、考えられているんですね。

また、山崎製パン株式会社のホームページに、当社のパンを活用したレシピが掲載されていますが、「メロンパン風トースト」が人気レシピ第二位(当社ホームページ掲載レシピ中)にランクインしているんです。

「メロンパン風トースト」(調理時間7分)
【材料】
ダブルソフト6枚切:1枚
バター:大さじ1強
グラニュー糖:大さじ1 1/2
小麦粉:大さじ2

【作り方】
1.常温で柔らかくしたバターとグラニュー糖、小麦粉をよく混ぜ合わせてクッキー生地を作ります。
2.パンに①をのせて格子状に切り込みを入れてトースターでこんがりと焼き、仕上げにグラニュー糖(分量外)をふります。

焼き立てはクッキー生地が柔らかいので、5分くらい置くとよりサクサク感が増してオススメです。お好みでチョコチップやココアパウダーをクッキー生地に混ぜても美味しくいただけます
(出典:山崎製パン株式会社のホームページ)

こんなに手軽にクッキー生地を作って、時短でメロンパンを再現できたら、朝からできたてメロンパンを食べられるということですね。

すごーい!人気レシピということは、メロンパンが、誰の口にも合う定番パンだからなのでしょうね。

「グレーテルのかまど」の番組でも、色々な「メロンパン」が紹介されました。

メロンパン専門店で出てきたのは、きれいなピンク色の“イチゴのメロンパン”。

メロンなのは形だけで、いちご果汁を生地に練りこんで作っているために、中までピンク色の「メロンパン」です。

また、「メロンパン」が食パンのように、サンドウイッチのベースとして使われているバージョンも。

「メロンパン」に切れ込みを入れてマヨネーズをぬり、そこに厚切りのランチョンミートと炒めたキャベツを挟んだ、“メロンパンサンド”!

甘さと塩気の絶妙なコンビネーションがたまらないのだそうです。

次はこちら。

メロンパンの甲羅を背負った“カメロンパン”です。

おどけた感じの亀がチャーミングです。

もはや「メロンパン」の可能性は無限大です!


グレーテルのかまど メロンパンが神戸のご当地フードに?!

東京を中心に広まった丸いメロンパンと、西日本で作られているラグビーボール型のメロンパン。

今、神戸では、どちらのメロンパンも買うことができますが、神戸発祥のラグビーボール型のメロンパンを「メロンパン」と認識している神戸の人は、約2割程度なのだとか。

「このままでは神戸ならではのメロンパンは忘れ去られてしまう!」と危機感を覚えたのは、生活協同組合の広報金田宏樹さん。

新しい楕円形のメロンパンを売り出して、ご当地フードとして盛り上げようというプロジェクトを始めました。

この”メロンパンプロジェクト”の掟は2つ!

1つ目は、マクワウリの形を使って焼くこと
2つ目は、具材が入っていること

この2つさえ守れば後は自由ということで、今、パン屋さんが新作メロンパンを考えて、色々な「メロンパン」が生まれてきています。

例えば、紅茶のパン生地に、レモンマーマレードにクリームチーズ、レモンピールを入れた「メロンパン」とか。

新作のメロンパンに挑戦するパン屋さんに、メロンパンがどんな存在かと聞いてみました。

「試作したものだけでも、今までに20種類以上あります。こんなに1つパンについて考えたことがなかったので、仕事の範囲を超えて、楽しさがあります」とのこと。

作るほうも、食べるほうにも「楽しみ」を与えてくれる「メロンパン」。

いずれ、神戸には新しいメロンパンが続々と生まれて、兵庫県のご当地フードになる日がくるかもしれません。

いつの日か、神戸に行って「〇〇のメロンパンを食べないとね!」と、“メロンパン散策”をするのが楽しみです!

グレーテルのかまど「あこがれのメロンパン」を観て

「メロンパン」は、みそ汁のように、郷愁すら感じてしまうほど、生活に根付いた菓子パンだと思います。

「メロンパン」の愛される味には、まだまだたくさんの楽しみ方や、可能性が秘められているんですね。

「メロンパン」へのさまざまな人の想いいれが、とても興味深かったです。

日本で生まれた時の“メロン”への憧れをそのままに、いつの時代も人々の憧れをのせながら、身近にい続ける菓子パンなのかもしれないと私は思いました。


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