ビスキュイ・ド・サヴォワ(ビスキュイドサヴォワ)は、型が美しいフランスの伝統菓子/グレーテルのかまど

2021年5月31日の「グレーテルのかまど」は、「思い出のビスキュイ・ド・サヴォワ」。

思い出の!とは誰の思い出なのでしょうか?

”ビスキュイ・ド・サヴォワ”(Biscuit de Savoie)は、お菓子の名前にある通り、サヴォワ地方の伝統菓子です。

この地方の人々が愛してやまないお菓子が、”ビスキュイ・ド・サヴォワ”。

このお菓子の美しい姿は、アルプスの山並みを模した、とも言われています。

どんなお菓子なのでしょうか?



ビスキュイ・ド・サヴォワの発祥と型の美しさ/グレーテルのかまど

”ビスキュイ・ド・サヴォワ”は、フランス東部のスイスとイタリアの国境近く、モンブランを主峰とするフランス・アルプスの山々を望むサヴォア地方のお菓子です。

そして、その発祥は、1358年にサヴォア地方のシャンベリーの宮廷の伯爵、アメデ6世が、神聖ローマ帝国のカール4世を晩餐会に招いた際に、考えられたお菓子です。

カール4世は、”ビスキュイ・ド・サヴォワ”のふわふわの食感に魅了されて、滞在期間を延長したと言われています。

”ビスキュイ・ド・サヴォワ”の特徴は、いくつかありますが、まず何といっても、その繊細ながら凛とした美しいフォルムです。

その形は、発祥となったシャンベリーの宮殿をかたどったとも、皇帝の冠をかたどったとも言われていますが、アルプスの山脈を思わせる姿でもあります。

この形は、サヴォア型と言われますが、なかなか手に入らないことから、今は、クグロフ型などを使って作られることも多いようです。

でも、やっぱりこの形に惹かれる人が多いのでしょうね。
復刻版の型が販売されており、人気です。

次の特徴として、卵、砂糖、小麦粉、コーンスターチだけで作られている、素朴な焼き菓子なこと。

そのため、素材の味わいを直接味わえますし、コーンスターチを入れるために、ふわふわでありながら、弾力のある生地を楽しむことができます。

そして、スゴーイ特徴として、”ビスキュイ・ド・サヴォワ”の生地は、卵の泡立て方法が、別立*1(べつだて)で作られていたのです!
当時は、共立*2(ともだて)が通常だったので、画期的な試みでした。
*1別立とは、「卵黄と卵白を別々に泡立てて、後で合わせて生地を作る」ことです。
*2共立とは、「卵黄と卵白を分けずに一緒に泡立てて生地を作る」ことです。

焼き菓子の製法に、新しい風を吹き込んだ、革新的なスイーツだったのですね。



まとめ

”ビスキュイ・ド・サヴォワ”は、素朴な焼きっぱなしのスイーツでありながら、見ただけで、食べたくなってしまうように、魅力に溢れています。

そして、お菓子作りをする人は、サヴォア型で作りたくなってしまうんです。

14世紀に生まれたスイーツなのに、今も人を魅了してやまないなんて、すごいなと思います。



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