グレーテルのかまど コトリンゴの“りんごのポロポロケーキ”は思い出の味

2020年10月12日の「グレーテルのかまど」は、「コトリンゴのりんごのポロポロケーキ」。

音楽家、コトリンゴさんは、心地よいピアノの音色とふんわりした優しい歌声で、幅広い年代の人気を博しています。

そしてその名のとおり、「小鳥」と「りんご」が大好きなのだそうです。

自分の曲をラジオに投稿するときに、ぱっと思いついた好きなもの2つを組み合わせて、ラジオネームを“コトリンゴ”で送り、そのままデビューが決まったのだとか。

“りんご”は毎日食べていたのだとか。

お母さまと一緒に作っていた“りんごのポロポロケーキ”は、ボストンに留学をした時も、ニューヨークで仕事をしている時も、自分で作って食べていた、忘れられない大切なスイーツなのだそうです。

コトリンゴさんは、どんな時に“りんごのポロポロケーキ”を食べていたのでしょうか?

そして、コトリンゴさんにとって、このスイーツは、どんな存在なのでしょうか?




グレーテルのかまど コトリンゴのプロフィール

コトリンゴさんは、1978年に、大阪に生まれます。本名は、三吉里絵子です。

5歳の時からピアノを始め、7歳の時には作曲を始めています。

神戸・甲陽音楽院を卒業後、ボストン・ バークリー音楽院に留学し、ジャズ作曲科、パフォーマンス科を専攻。学位を取得後、ニューヨークを拠点に演奏活動を開始。

坂本龍一がナビゲーターを務めるラジオ番組に送ったデモデープがきっかけとなり、2006年にシングル「こんにちは またあした」で日本デビューを飾ります。

2016年11月に公開し、ロングヒットのアニメーション映画「この世界の片隅に」のテーマ、劇中歌、BGM、全ての音楽を担当し、第40回日本アカデミー賞優秀音楽賞、第71回毎日映画コンクール音楽賞、おおさかシネマフェスティバル2017音楽賞を受賞しています。

映画、ドラマ、アニメのサウンドトラックや、多数のCM音楽を手がけるなど、演奏のみならず、オーケストラアレンジなどで、音楽家として高い評価を得て、クリエイターからの支持も高い。

2018年には初の海外ツアーでアルゼンチンを訪れ、全6公演を大成功させ、海外での評価も高まっています。

現在、ポップ・ワールドを描くアーティストとして活躍をしています。


グレーテルのかまど コトリンゴの“りんごのポロポロケーキ”の想い出とは?

“りんごのポロポロケーキ”は、こんがり焼き上がったポロポロのクッキー生地と、とろーりとろけるりんごの果肉の2つの食感が、ハーモニーを奏でるスイーツです。

これは、音楽家コトリンゴさんの思い出が詰まった、スイーツです。

コトリンゴさんは言います。
「“りんごのポロポロケーキは、子供の頃のことや、学生時代の時のことを思い出す、色褪せない存在です」

コトリンゴさんは、小さいころから、りんごが大好きでした。
「ちょっと元気になるような赤い色だし、形もかわいいし、風邪ひいた時には、すりおろしたりんごを母に作って貰っていました」

そして、そのりんごを使った、お母さんがよく作ってくれたと言う、大切なりんごのお菓子が、“りんごのポロポロケーキ”なのです。

手先が器用で、お菓子作りが好きだったと言うお母さんが、「りんご好きの娘にぴったり」と作った、“りんごのポロポロケーキ”。

コトリンゴさんは、とても気に入り、学校から帰っていい匂いがしていると、わくわくしたといいます。

お母さんと一緒にこのスイーツを作ることもあったとか。

コトリンゴさんは、表面にしく、小麦粉、バター、砂糖を混ぜて粒状にしたポロポロのシュトロイゼルが大好きで、ポロポロの大きい塊をわざと作ったといいます。

“りんごのぽろぽろケーキ”は、その優しい味わいと、お菓子作りをするお母さんの姿が重なり、コトリンゴさんの心に大切な想い出として刻まれたのです。

コトリンゴさんは、5歳でピアノを始めて以来、音楽の道を歩み続けています。

21歳でアメリカのバークリー音楽院に留学し、作曲とピアノを専攻しました。

異なる文化と、周りのレベルの高さに、はじめは苦労することも多かったといいます。

下宿の隣の部屋に、同じピアノ科の人が来た時に、その人が夜中まで電子ピアノをたたく、カタカタという音と唸り声に、練習をしないといけないと、ノイローゼ気味になったそうです。

そんな時に、心を和ませてくれたのが、母の“りんごのポロポロケーキ”だったそうです。

留学するときに、自分で作れるようにと、母のレシピをコピーして持って来ていました。

コトリンゴさんが、“りんごのポロポロケーキ”を作ることで、気持ちがすっきりとして、前に進める気がすると言います。
「1つのことに集中して作るので、頭がすごくすっきりして、その上食べて満足できる。自分で作る楽しみを知っていると、いろんなものに挑戦する気持ちが芽生える気がします。自分で楽しみを見つけていく姿勢を学びました」

コトリンゴさんは、お母さんのお菓子作りから、1つのものをじっくり作り上げる幸せや、ものづくりの楽しさ、挑戦する気持ちの大切さ、という生き方を学んだそうです。


グレーテルのかまど コトリンゴの“りんごのポロポロケーキ”は手軽で簡単!忙しい主婦の味方

コトリンゴさんのお母さんが作っていた、“りんごのポロポロケーキ”には、参考にしていたレシピがありました。

明治36年に創刊された、日本で1番長い歴史を持つ女性誌、“婦人之友”にあったのです。

“婦人之友”の 編集長小幡さんは、昭和の時代、料理や家事、子育てに時事問題まで、貴重な情報交換の場所として、心躍るコミニケーションツールだったといいます。
「お菓子だったり、お弁当のおかずだったり、読者の方たちにいただいたレシピなどを、誌面で紹介すると、こういう料理があるんだと新しいことを学べる、家庭の主婦にとっては、刺激になる楽しいことだったのだと思います」

小幡さんが見せてくれたのは、“りんごポロポロケーキ”のもととなった、とある読者投稿です。

それは、“りんごのカリカリ”というお菓子の投稿でした。

どうやらカナダの友人から教わったもののようです。

“小麦粉とバターと砂糖を指先でパラパラに揉んで、、、”と書かれています。

こうして集まった情報をもとに、“りんごのカリカリ”と言うお菓子を、クッキーを土台にして、切ったりんごを乗せるだけの、手間を省き、忙しいお母さんたちでも、手軽に作れるお菓子に作り上げたのが、“りんごのポロポロケーキ”でした。

当時、この雑誌を愛読していたコトリンゴさんのお母さんは、雑誌に掲載されていたレシピを見て、りんご好きの娘に、“りんごのポロポロケーキ”を作ったのでした。

やがて、これは、コトリンゴさんの大切なスイーツとなります

“婦人之友”の 編集長小幡さんは、当時の“婦人之友”に掲載されたレシピは、読者の人からの色々な意見などの投稿をもとに、記者が、レシピについていろいろ話し合って決めていて、読者と記者の研究室みたいな存在だったといいます。

読者と記者が遠隔でありながらも、一緒に作りあげる雑誌が、当時の女性誌だったんですね。


グレーテルのかまど コトリンゴの“りんごのポロポロケーキ”を作ってみよう!

コトリンゴさんの“りんごのポロポロケーキ”、手軽で簡単なレシピで作ってみましょう!

味わいの決め手は、“ぽろぽろとりんごのハーモニー”です。
いろんな食感が楽しめる、優しい甘さのケーキを目指します!

■事前準備
<クッキー生地>
・薄力粉、ベーキングパウダーを合わせてふるっておく
・コーンスターチをふるっておく
・無塩バターを常温に戻しておく
・全卵を常温にもどしておく
<ポロポロ生地>
・生地の材料を冷蔵庫で冷やしておく
<成形~焼き上げ>
・型の内側に薄くバターを塗っておく
・オーブンを180℃に温めておく

■作り方
最初にケーキの土台のクッキー生地を作っていきましょう

【クッキー生地】
1 常温に戻したバターに、グラニュー糖と塩を加えて、泡だて器で空気を入れないように軽く混ぜます。
2 そこにバニラエッセンスを入れ、全卵を2/3を加えて混ぜます。

3 生地が分離してきたら、コーンスターチを入れて、ゆっくり混ぜ、残りの卵1/3を入れます。

4 最後に薄力粉、ベーキングパウダーを加え、カードで切るように混ぜていきます。
混ぜるポイント★
カードで生地をボールにこすり付けるように、混ぜます。

5 粉気がなくなるまで混ぜたら、乾燥しないようにラップ(ビニール)で包んで、冷蔵庫で半日以上休ませます。

休ませている間に、ポロポロを作っていきます
【ポロポロ生地】
ポロポロと言うのは何かと言うと、クッキー生地をそぼろ状にしたもので、クランブル、またはシュトロイゼルと言われたりします。

掟:冷やしてまとまるカルテット
4つの材料が混ざり合ってぽろぽろと言う四重奏にするため、あらかじめ材料(バターと薄力粉)を冷やしておきます。

1 ボウルに、冷たいバター、薄力粉、グラニュー糖、塩、の4つの材料(カルテット=4重奏:この場合4種類)を全て混ぜます。

2 カードでバターを細かく刻むようにしながら、素早く切り混ぜて、そぼろ状に、ポロポロにしていきます。

3 バターが大豆大くらいになったら、手のひらをすり合わせるようにして、バターと粉類を合わせていきます。やっている内に、黄色味が濃くなってきます。
手があたたかいとバターがクリーム状に溶けて、そぼろ状にならないので、素早くやっていきます。

4 生地がなじんで、ポロポロした塊ができたら、冷蔵庫で冷やし固めます。

休ませておいたクッキー生地を取り出して、綿棒を使って伸ばしていきます。
【成形・焼き上げ】
1 打ち粉をして、綿棒で、タルト型よりひとまわり大きい円形に伸ばします。(直径24cm程度)
 ★生地をきれいに均等に丸く伸ばすポイント★
 均等な力加減で、生地を30度ずつ回転させながら綿棒をかけます。

2 生地を伸ばして、綿棒に生地をまきつけ、バターを薄く塗った型に敷き、冷蔵庫に入れます。

3 りんごをむきます。皮をむき、種をとり、8等分にし、厚さ2ミリのいちょう切りにします。

4 型に敷いた生地の上に、りんごを全量敷き詰めます。

掟:穴を開けずにフィナーレ
りんごを敷き詰める前に、タルト生地に、フォークで穴を開けません。
大量のりんごで、りんごの汁が染み出てくるのを防ぐのと、生地がりんごの重みで浮いてこないので、フォークで穴を開けなくて良いのです。

5 りんごを敷いたら、その上にポロポロを散らしていきます。

6 180度のオーブンで45分焼きます。

7 焼きあがったら、粉砂糖を上にふります。

保存は、ジューシーなりんごを使っているので、次の日までです。
美味しいうちに、たっぷり堪能したいですね。

■材料  (直径20㎝タルト皿 1枚分)
<クッキー生地>
無塩バター                   50g
グラニュー糖                30g
塩                          ひとつまみ
全卵                           40g
バニラエッセンス          適量
薄力粉                        80g
コーンスターチ            20g
ベーキングパウダー       4g  (小さじ1杯)

<ポロポロ生地>
薄力粉          70g
塩                ひとつまみ
グラニュー糖         40g
無塩バター                  50g

*りんご                     2個        紅玉やジョナゴールドなど酸味の強い品種がおすすめ
*粉砂糖                     適量        仕上げに表面に振るもの

(出典:NHK グレーテルのかまど~コトリンゴのりんごのポロポロケーキ~より りんごのポロポロケーキ  レシピ監修 エコール 辻 東京 中濱 尚美 先生)



グレーテルのかまど 色々な国の“ポロポロケーキ”の魅力!

番組では、世界のいろいろな“ポロポロケーキ”が紹介されました。

まずは、イギリスの温かいカスタードソースをかけていただく、“アップルクランブル”です。

グランブル(ポロポロ)の歯ごたえと、トロリとしたソースが、最高のデュエットを醸し出します。

続いてドイツの名物、“シュトロイゼルクーヘン”です。

イースト発酵生地の上に、フルーツを乗せて、1番上にシュトロイゼル(ポロポロ)をたっぷりとのせた焼き菓子です。

ふわふわと、ザクザクした歯ざわりに、フルーツも組み合わさった三重奏が美味しさを際立たせます。

次は、フランスアルザス地方の伝統菓子の“ボベス”です。

アーモンド生地に、レーズン、オレンジピール、くるみをたっぷり巻き込み、表面に、ザクザクのシュトロイゼル(ポロポロ)をまぶした見た目も味もゴージャスなスイーツです。


グレーテルのかまど 「コトリンゴの”りんごのポロポロケーキ”」を観て

コトリンゴさんのやさしく、ささやくようなポップな歌声は、赤いリンゴを、見た目のかわいらしさだけでなく、みずみずしさや、甘酸っぱさなど、薄く何層に重ねられたひだのように、奥深い味わいに感じさせる魅力があります。

そんなコトリンゴさんが愛する、“りんごのポロポロケーキ”。

コトリンゴさんの歌声に、きっとピッタリなのではないかと、私は勝手に想像しているのです~!


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